top of page

2023,2024年度の活動状況

不払い残業代と不当解雇
    Aさんは2020年から、1週間に4~5日、週に20時間との契約で保安点検の仕事をしていました。始業時間の9時前に出勤したり、仕事が長引き、終業時間の17時以降になっても終わらない状態がありましたが、残業代が付かないなど不当な取扱が行われていました。組合で議論し、3年間の未払残業代を要求しようと準備していました。ところが、制度化されていなかった年次有給休暇の取得を申請したところ、協調性がないなどの不当な理由で解雇通告がされたのです。不当な解雇の撤回、不払い残業代の支払を求めて団体交渉を申し入れました。
    2回の団体交渉の結果、賃金3ヶ月分と不払い残業代請求額の半分に相当する60万円を退職金として支払うことで、会社都合の合意退職ととすることで決着しました。

 

経営危機で退職勧奨
    装飾品の製造販売会社に働いていたBさんは2023年5月に愛知ユニオンに加入しました。きっかけは、賃金の遅配とパート労働者の有給休暇、最低賃金の実施時期などの疑問をユニオンに相談したことでした。ユニオンの会議などで、これらに違法性を確認したBさんは、自身が組合に加入し、経営者に改善を要望しました。その結果、少しは改善されましたが、パート労働者に対するパワハラなどもあり。抜本的な改善はありませんでした。2024年5月には定額残業代を含む営業手当の減額と2倍以上に業務効率向上させるという誓約書の提出が求められました。誓約書については署名を拒否しました。さらに、8月末に会社の経営改善のため、営業部門を廃止するということで、勧奨退職を求められました。勧奨退職の同意書への署名を拒否し、ユニオンの仲間と協議し、退職までの退職金の上乗せなどの要求をしました。会社側は退職金の上乗せを認めなかったため、愛知ユニオンとして団体交渉の申し入れ書を送付しました。申し入れ書を受け取った会社側が退職金の上乗せを認めたため、勧奨退職を受け入れることになりました。

 

労働条件の不利益変更と不当解雇
    2023年4月にハローワークの紹介で、金属加工会社に設計技師として就職したAさんは、3ヶ月で期待していた仕事ができないとして、単純な工場作業に配置転換され時給も一方的に大幅に減額されました。労働契約書の変更について合意署名を求められましたが、労基署にも相談し、署名は拒否しました。その後、年末年始の休み直前に自宅での業務を命じられました。愛知ユニオンに相談して、組合加入して対応を検討していたところ、メールで解雇通知が送付されてきました。
    愛知ユニオンとして、団体交渉を申し入れたところ、会社側は代理人として弁護士を立ててきました。不当な解雇の撤回と労働条件の不利益変更による損害の補償を求め、3回の団体交渉を行いました。最終的に会社側は社長が謝罪し、不利益変更に依る損害相当分を退職金として支払うことを条件に会社都合による退職とすることで決着しました。

突然の解雇と解雇予告手当

 元々の組合員であるEさんが、バイト先のコンビニオーナーから突然の契約解除を言い渡された事案の相談がありました。Eさん自身が労働基準監督署に相談しその助言を受けてコンビニ側に解雇予告手当の支払いを求めました。オーナーは当初は無視していましたが、監督署から指導が入り、要求した30日分の解雇予告手当が支払われました。就職後14日を超えれば例え試用期間中でも、普通解雇の場合は30日前の解雇予告かそれに代わる手当の支払が労働基準法で定められています。

 

セクハラによる退職

 三河支部で取り組んだ、セクハラ事件がありました。Fさんという女性が、新しくなった店長の執拗なセクハラによって、仕事を辞めざるを得なくなりました。相談を受け、組合に加入してもらい、団体交渉を通じて、慰謝料の支払を求めました。相手側が当初はセクハラとは認めなかったのですが、スマホのラインの履歴を証拠として突きつけたところ、請求した慰謝料を全額認めさせるとができました。

 

切り捨てられた残業代とパワハラ

 税理士事務所で働いていた組合員のGさんの問題です。Gさんは昨年の6月末で退職して、別の税理士事務所を立ち上げました。税理士事務所長は事前の打ち合わせでは、Gさんの独立を快諾していました。ところが、退職間際に年休を申請したところ、所長と男性職員から暴言などのパワハラを受けました。名古屋北労基署に相談に行き、彼女が受けている言動はパワハラに当たるとの見解を得ました。そこで、パワハラに対する謝罪・慰謝料の支払と切り捨てられていた残業代と昼休みに仕事をした分の未払い賃金の支払いを事務所に請求しました。事務所側は弁護士を代理人として、切り捨てられた残業代の支払いには応じましたが、謝罪や昼休みの未払い賃金については認めませんでした。パワハラについて、愛知労働局にあっせん申請しましたが、事務所側が応じず、不調に終わりました。パワハラで慰謝料を請求する提訴について弁護士と相談をしましたが、今回のケースでは、裁判所がパワハラと認めるのは、今の法律では難しいと説明を受け、提訴は断念しました。

労働災害再審査請求

 2015年に倉庫で仕事中に労災事故に遭ったHさんの再審査請求についてです。高次脳機能障害について事故に起因するものだとして労災認定を求めていましたが、労働基準監督署及び愛知労働局の労災保険審査官では、申請が棄却されました。Dさんはもう一度、高次脳機能障害専門病院で、開示された本人のカルテから、くも膜下出血があったということを確認してもらい、改めて書いてもらった高次脳機能障害は事故によるものという診断書を付けて、中央審査会に再審査請求をしました。しかし、先日、認められないという回答が中央審査会から来ました。

派遣労働者の病気退職

♦労働者派遣で働く、Iさんの病気退職の事案です。6月に体調不良で、仕事先を数日休んだことで、本人が辞めると言ったとして辞職扱いにされました。本人は退職届を出さず、医師の1ヶ月の休養を要するという診断書を提出していました。退職の撤回を求めましたが、派遣会社は口頭で辞職の申し出があり、承認したので撤回はできないということでした。三回の団体交渉の中で、この派遣会社には就業規則に休職規定がなく、病気で休むなら自己都合で辞めてもらうという方針であることが明らかになりました。交渉の結果、傷病手当金の支給要件を満たし、社会保険料の支払いが発生しない6月29日付けで合意退職し、体調が戻り次第、誠意を持って派遣先を探すという内容で合意しました。

bottom of page